先日、タグホイヤーの腕時計が止まってしまったので、町の時計屋で電池交換をお願い
する事にしました。
今までは技術のありそうな遠方の店にO/Hを含め、宅配便でお願いしていました。
しかし、その店が店をたたんでしまい、かつO/Hの際に「蓋とケースの嵌合部分に錆が
出ているので防水性は期待しないでください」と言われていたので、スペック通りの
防水性は諦めて、今回は近所で実績がありそうなお店を見つけ、お願いしました。
G-SHOCKやその他、防水性を一つの売りにしている時計の場合、すぐ電池交換してくれる
ような町の時計屋では、電池交換を断られることがよくあります。G-SHOCKの場合、樹脂
製のケースだったりするので劣化してヒビが入っていて(特に蓋を止めている4か所のねじ部
分)、交換前から防水性能が低下しているのに電池交換の作業で防水性能が低下したと勘違い
する客が多いからだそうで。
それ以外に防水試験機がないと言った事もあるでしょうが、「防水性能はあまり期待しませ
ん」というと、交換してくれる時もあります。
近所の時計屋レベルだったら、自分で電池交換しようかな?と思い、amazonで買った
激安の時計メンテナンスキットのオープナーで蓋を開けようとしましたが、頑として開き
ません。工具がアレと言う事もあり、あまり無茶をして蓋に傷を付けたりすると悲しいの
で、素直にお店へ持って行く事に。
車で10分かからない近所のお店です。
「防水チェックは出来ませんが、宜しいですか?」と訊かれたので「構いませんよ」と
答え、早速電池交換へ・・・。
やはり、蓋が開きません。「潤滑剤を付けてやってみるけど、もしそれでも開かなかった
らメーカー送りになりますが、どうしますか?無理に蓋を開けようとして傷付けたくない
し。」と訊かれ、「それでもいいので、やってみてください」と言う事で、お預かりと
なりました。
ついでに、G-SHOCKの腕時計もウレタンバンドが劣化してきたので「これ、交換して
貰えますか?ネットでカシオにお願いしようとしたけど、補修用性能部品の保有期間が
終了しているため修理をお受けすることができません。って言われたんですけど。」と
訊いてみると、「交換できるんじゃないかなー?」と言いながら、ファイルをペラペラ
めくり、「うーん、まだ交換できるみたいだよ、ちょっと待ってね。」と(多分カシオ
テクノに)電話。
お盆明けはどこも忙しいらしく、1分以上コールし続け(この店主も忍耐強い人だなと思い
ながら待つと)やっと相手が出たようです。
店主「○○時計店です、お世話になります・・・○○○なんだけど、バンドの在庫あります?
・・・はい、正常に動いてますね・・・うーんと、長剣が赤で、バンドの12時と6時にシル
バーでロゴが入っているヤツ・・・あ、ありますか・・・はい、ありがとうございました
・・・宜しくお願いしますー・・・ガチャ」
店主「在庫はあるそうだけど、メーカー送りになって、今混んでいるみたいだから2週間
ぐらいかかるらしいけど、良い?」と訊いてきました。
私「それで構いませんよ(個人だとカシオでは修理受け付けてくれないし)。」
店主「メーカーに送りますので前金になります、ねじとか交換になったら値段が変わって
来るけど、まずはバンド交換だけの値段で・・・9,720円です。」
私「えー!そんなにするの?」
店主「バンド代と、技術料と、往復の送料だね」
私「(普通のG-SHOCKだったら3,500円位だよなー、でもこの機種はねじが固着してるのが
ほとんどだし、技術料でその位取るのかな、送料もあるし)そうですか、分かりました、お願
いします。」
という流れで、G-SHOCKのバンド交換代を前金で支払って領収証兼伝票(タグホイヤーの預か
り票)を貰って帰ってきました。
お店の定休日を挟んで2日後、「電池交換が出来ました」との電話があり、受取りに。
店主「電池交換できましたよ。」
私「どうでしたか?」
店主「潤滑剤をつけてやっと開きました。中が結構錆びててね・・・錆は落として、電池
交換して、針のゼロ点調整して、グリス塗っておきました。」
私「ありがとうございました。(こいつの針のゼロ点調整、黙っていてもやるなんて、やは
り単に売るだけの時計屋とは違うな・・・預ける時にゼロ点はズレていなかったから、針同
士が干渉していないかチェックしたのかな、それとも電池交換の時にゼロ点がズレたのかな、
もしかして磁気抜きでもしたのかな、その時にズレるし・・・)で、おいくらですか?」
店主「5,400円です。」
私「(まぁ、すんなり電池交換出来た訳じゃないし、作業内容から言ってクオリティ高い
だろうし、妥当な値段だな)はい、わかりました。ありがとうございます。」
と支払いを済ませ、店を後にしたのでした。
実際のところ、時計を預けに行ったときに
「あれ?なんとなく煙草臭い?・・・奥で吸いかけの煙草が灰皿の上で煙りあげてるし」
「なんか酒臭い・・・店主、二日酔いか?」
と、「本当に大丈夫かいな?」という状況でしたが、良い仕事をしてくれたようです。
店の佇まいや上記のような感じから、まさしく昭和時代の良き時計屋だなと感じました。
G-SHOCKはメーカー修理(バンド交換)で、だいたい2週間後ですから、手元に戻ってくる
のは来月の初めになりそうです。ねじが固着していてねじ交換になるだろうから、さらに
1,000円ぐらい支払わされそう。
購入した時は、ソーラー電波時計だから電池交換や時間合わせの手間が省けていいなーと
思っていましたが、故障もするだろうし、2次電池にも寿命があるだろうし、もちろんバンド
も劣化するので、全く手間が掛からない訳では無いな・・・と感じた1日でした。
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